好きな食べ物は何?

最初の何投稿かは自己紹介をしていきたい。

自己紹介は名前、出身地、出身大学、誕生日、年齢、趣味、特技なんかを言うのが定石だが、読者の皆さんはそんなこと興味ないだろう。相当面白いものか、自分と共通するものじゃないと覚えることはない。現実世界ではそれでは悲しいが、ここでは身バレしたら恥ずかしいので頭の片隅にも一瞬たりとも置かれなくていい。だから好きな食べ物という誰も興味なさそうなことを話そうと思う。

私の好きな食べ物は酢飯と生春巻きとトーストしてない食パンである。

これを姉に話したら、好きな食べ物を聞かれたときに1番してはいけない回答だと言われた。彼女によると、好きな食べ物を聞く意味はそれに対する返答として、「今度一緒に食べに行こう」というためらしい。食べに行く目的にできるほど酢飯と生春巻きとトーストしていない食パンはメイン料理ではない。確かに好きな食べ物の話をして、一緒に食べに行こうという約束を取り付けられた記憶はない。彼女の言うことも一理あるとその時は納得した。だが今考えてみたら、私がその話題をした後ごはんの約束を取り付けたり、誰かが取り付けたりしたのを見たこともない。そう考えると好きな食べ物を聞くのはそれを一緒に食べに行く約束を取り付けるためとも言えない気がする。(逆にこのテクニックを使って好きな人をランチに誘えたらデートの約束を取り付ける1番手っ取り早い方法である。好きな人ができたら実践してみよう。)

ではなぜ人は好きな食べ物を聞くのだろうか。

私が思うに好きな食べ物の話題になるのは、それを聞かなきゃいけないほど会話の内容が枯渇しているとき、みんなが答えやすい質問は何かと考えるからだ。全ての人が食べ物の好き嫌いがある。音楽などは全く興味がない場合があるが、食は3代欲求のうちの一つであるためみんな好みがある。性生活に関することは初対面では話しづらいし、睡眠に関することはトピックがとても限られている。その点食べ物は好きな食べ物を話したくないと言う人は多分いないだろうし、バリエーション豊富だ。

ではどのような回答が最適なのだろうか。あまり話したことがない人と食べ物の話になったとき、求められているのは話題性だ。あまり好きな食べ物として聞いたことがないため、なんで好きなのか聞きたくなることでなければ、その質問をした相手から気の使えない奴認定されてしまうだろう。

そう考えると私の回答はベストなのかもしれない。ただ問題なのは食べ物に好きな理由などないと言うことだ。嫌いなものにトラウマだとか匂いが悪いとかいう理由はあるかもしれないが、好きなものは口と鼻が好きと言っているから好きなのだ。

もし私が好きな食べ物を聞いた側だったらどんな回答だったら回答が続けられるだろうか。

こう考えると、逆にメジャーなものの方が、こういうお店があるよとか、どんなアレンジが好きかとか聞きやすいのかもしれないと思えてきた。ただこれは好きな食べ物を聞いて返答する側に相当な雑談力がないと無理である。

またこう回答したその会話に面白みがあるかといえば謎で、印象に残ることはできないかもしれない。好きな食べ物という話題だけでそれをしようとしているのは無理があるのかもしれない。あの人は話しやすかったというぼんやりとしたいい印象を残すことしかできないだろう。

ここからわかったことは好きな食べ物は何かという話題で印象を残し、長く話し、論理性を保つというのは不可能なのではないかということだ。それら3つを叶えたいのであれば嫌いな食べ物を聞いた方がいい。

好きな食べ物を聞かれたら、そんなに自分の食べ物の好みについて長く会話する必要はなさそうで(大人数で会話してる時など)、印象に残りたい場合はマイナーな食べ物を答え、一対一で会話してて相手が雑談力がありそうな場合はメジャーな食べ物を答え、どちらでもない場合は適当に回答し、すぐ相手の好きな食べ物を聞き、会話を続けることで、自分の雑談力をアピールし、話しやすい人というイメージを残すのがベストだろう。